Disappear without a trace

お決まりの台詞を喚いてください
去り行く背中に掛ける言葉も見つからない
思い出すなんてこと知らなかった
見えない振りも聞こえない振りも、
遠くで雷鳴が轟いている
逃げた先には何があったかなんて
教える積もりも無いくせに
だから嫌いだと言えばいい
別れ際に最後のキスを
手を放すタイミングを失っただけ

声を出さないと
手首を切ると誓ったあの日
細い首筋に通った赤い血
濁っていく眼球を抉って
底無しの沼に掛かった右足
光に向かって手を伸ばす
耳を塞いで
心を開く、瞬間を夢見る
きっとそれは涙でしょう
だってそれは涙でしょう?

スピーカー越しの告白
フェンスの向こうには
カードキーを落として
ドレスの裾を翻してた
オートロックと君と僕